(※このブログでは国土交通省のホームページに公開されている重要事項説明の様式例を元に解説をします。不動産会社の使用する書式の様式によって若干違いますが法律で定められている重要事項説明の内容は同じです。)
新築住宅を検討するにしても様々な建築会社から様々な商品が販売されています。
建築に関しての素人が見ても何が良くて何が良くないのか分かりません。
そんな時に住宅性能評価書が発行されている物件であればその住宅性能評価書をもとに物件を比較検討することができます。
住宅性能評価書とは
住宅性能評価書は「住宅性能表示制度」に基づいて発行されるものです。この制度は平成 12 年 4 月 1 日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」もとづき、同年10月より運用が開始された制度です。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」には以下の3つの柱があります。
- 10年間の瑕疵保証
- 住宅性能表示制度
- 紛争処理体制
住宅の性能を、法律に基づいた一律の基準で表示・評価するために作られました。
第三者機関(登録住宅性能評価機関)が発行した住宅性能評価書をもとに比較検討をすることができます。
住宅性能評価書は2種類あります。
設計住宅性能評価書
設計住宅性能評価書は設計の段階で発行される評価書です。
設計図書の内容をもとに審査をしますのでこの段階では建物は完成していません。
建設住宅性能評価書
建設住宅性能評価書は実際の現場での施工状況の検査等に基づき、設計住宅性能評価を受けた設計図書どおりに建築がなされていることを確認する評価書です。
住宅性能評価書に記載される項目
住宅性能評価書では以下の10項目で評価をします。
- 造の安定に関すること
- 火災時の安全に関すること
- 劣化の軽減に関すること
- 維持管理・更新への配慮に関すること
- 温熱環境に関すること
- 空気環境に関すること
- 光・視環境に関すること
- 音環境に関すること
- 高齢者等への配慮に関すること
- 防犯に関すること
住宅性能評価書がある場合に契約に与える影響
登録住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価書やその写しを、新築住宅の請負契約書や売買契約書に添付などすると、住宅性能評価書の記載内容を契約したものとみなされます。この内容の物件を引き渡しますよと約束したとみなされるということです。
ただし、契約書面で、売主が反対の意思を表示している時は適用がありません。
参考資料として提出をしますがその内容の物を引き渡す約束はしないということが可能です。
住宅性能評価書がある場合のメリット
住宅性能評価書がある場合には様々なメリットがあります。
素人にも住宅の良し悪しを判断しやすい
前述の通り、建築関係の素人には物件の良し悪しを判断することは非常に困難です。
外観や内装は気に入ってもそれだけで判断するのは怖いですよね。
住宅性能評価書には住宅の性能が各項目ごとに数字で表示されますので判断がしやすくなります。
指定住宅紛争処理機関を利用できる
万が一建設住宅性能評価書の交付がある物件に不具合が発生し、売主とトラブルになった際には指定住宅紛争処理機関に紛争処理を申請することができます。
指定住宅紛争処理機関とは国土交通大臣が指定する、裁判によらず住宅の紛争を円滑・迅速に処理するための機関です。
その際には住宅性能評価書の記載内容だけでなく、請負契約・売買契約に関する当事者間のすべての紛争の処理を扱うことができます。
紛争処理の申請には1件あたり1万円の手数料が発生します。
無料ではありませんが、紛争処理を1万円で依頼できるメリットは大きいです。
住宅性能評価書の有無を確認しましょう
これから新築住宅を購入しようと検討している方は住宅性能評価書の有無も検討材料の一つとしてみてください。
永く、安心して住むことができる住宅の判断材料になるはずです。